カバの汗の色はピンク?汗が赤い理由と3つの役割をわかりやすく解説

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カバが流すピンクの汗や赤い汗を見たことがありますか?

まるで血ように見えるカバが流す汗は、実は汗ではなく“特別な分泌液”です。アルカリ性でネバネバしています。分泌液は最初透明ですが、しばらくするとピンク~赤に色が変わります

また、分泌液は科学者たちも注目するほどの高性能な「天然のスキンケア成分」で、日焼け止め・抗菌・保湿の3つの力を持っています。

本記事では、カバの汗が赤い理由から汗の正体、そして皮膚を守る3つの役割までをわかりやすく紹介します。動物園でカバが流す汗の色の変化を観察するときのポイントも解説。読み終えたころには、カバを見る目がきっと変わることでしょう。

目次

カバの汗の色が赤い理由

カバは皮膚から粘液を分泌します。粘液は出てきたときは透明ですが、時間とともにピンク~赤と変化していきます。この粘液は汗でも血でもなく、分泌腺から出る油性・粘性の分泌物です。

汗の色が赤い理由
  • 血のような液体の正体
  • 汗が赤い理由は?色の変化は化学反応の結果

血のような液体の正体

カバが出す液体は分泌液で、汗や血とは成分が違います。カバの赤い汗の正体は、皮膚の分泌腺から出る透明な粘液です。出たときは透明ですが、しばらくするとピンク~赤色に変化していきます。

動画や写真で見ると血のように見える理由が分かるはずです。動物好きの人なら、驚くポイントも多いことでしょう。分泌液の色や粘度は時間とともに変化します。

カバの血のような汗は、実は身を守る分泌液です。身近な物に例えて表現すると、カバのスキンケア用品になります。

汗の色が赤い理由は?色の変化は化学反応の結果

カバの汗の色は酸化によって透明~ピンク~赤~赤褐色~茶色と変化します

カバの分泌液である透明な粘液がピンクや赤に変化するのは、酸化が主因です。分泌液中の化学物質が酸素によって結合し、変化するのです。化学反応が進むと色は濃くなり、茶色へと近づきます。

主要な化学反応と色の変化を流れで解説します。

分泌直後:透明

ホモゲンチシン酸が皮膚表面に出ます。

酸化反応:ピンク~赤

ホモゲンチシン酸が酸素と酵素で酸化し結合、「ヒポスドリン酸」(赤色)と「ノルヒポスドリン酸」(オレンジ色)に変化します。

高分子生成:赤~赤褐色

光や温度で酸化が促進され、色素が高分子化して色が茶色になります。

乾燥過程:茶色

水分が蒸発して濃縮し、分泌液の粘度と色素濃度が上がります。

参照資料:カバの赤い汗についての科学的研究

色の移り変わりは化学反応の結果です。酸化は環境によって進み具合が変わります。日常生活で同じ現象を見つけるなら、果物の切り口が茶色になるのと似ています。

カバの汗の色が赤い理由は、「分泌液が酸素と酵素によって色付けされているから」ということになります。

赤い汗の3つの役割

カバの「赤い汗」は、皮膚から分泌される特殊な粘液です。では、この赤い粘液には、どうような役割があるのでしょうか。単なる「汗」ではない3つの役割を紹介します。

赤い汗の3つの役割
  • 皮膚の乾燥を防ぐ
  • 紫外線から皮膚を守る
  • 細菌から体を守る

カバの赤い汗は「保湿」「日焼け止め」「殺菌・抗菌」の3拍子そろった万能スキンケア液です。

役割1.皮膚の乾燥を防ぐ

カバは水辺で過ごす時間が長い動物ですが、実は皮膚がとても乾燥しやすい性質なのです。日中に陸に上がると、体表からの水分蒸発が急速に進んでしまい、皮膚がひび割れてしまうこともあります。

カバから出る赤い汗のような分泌液は、天然の保湿膜のような役割を果たします。皮膚表面を薄く覆い、水分の蒸発を防ぎながら、しっとりとした状態を長時間キープするのです。

赤い汗の乾燥防止効果
  • 皮膚の水分を保持
  • 表面を柔らかく保つ
  • ひび割れ予防効果

分泌液は日中の強い日差しや乾いた風から皮膚を守ります。動物園でも陸上で休んでいるときに赤い汗である分泌液を見ることができます。観察するときは皮膚のテクスチャーの違いに注目してください。

赤い汗はカバ自身が分泌する“天然スキンローション”なのです。

役割2.紫外線から皮膚を守る

カバの赤い汗のような分泌液には、日焼け止めのような効果もあります。

分泌液のヒポスドリン酸とノルヒポスドリン酸は、空気に触れると分子構造が変化します。変化した分子構造は、紫外線を吸収する力が高まり、皮膚にダメージを与えるUV光線を効率的にブロックできるようになるのです。

赤い汗の紫外線防止の効果
  • 光を受けると防御力アップ
  • 強い日差しから皮膚を保護
  • 日焼けによる炎症やシミの防止

カバの皮膚は真昼の強烈な太陽の下でもほとんど日焼けすることはありません。分泌液は光を吸収しやすく、特に紫外線をカットします。サバンナで暮らす動物の中でも、日焼け止めを分泌できる生き物は極めて珍しい存在です。

赤い汗は、まさにカバが持つ“自家製サンスクリーン”なのです。

役割3.細菌から体を守る

カバの赤い汗のような分泌液には、殺菌・抗菌作用まで備わっています。傷ついた皮膚から細菌が侵入して化膿するのを防ぎます。

カバは縄張り争いやケンカで傷を負うことも多い動物です。しかし、泥や水の中にいても感染症を起こしにくいのは、赤い汗のような分泌液のおかげです。

赤い汗の殺菌・抗菌作用の効果
  • 皮膚表面の雑菌の繁殖を抑える
  • 傷口からの感染を防ぐ
  • 皮膚の炎症や化膿予防

赤い汗は、カバの皮膚の自然な防御層で、カバ自身がまとう“天然の抗菌バリア”のようなものです。

おまけ.蚊から身を守る

カバの赤い汗のような分泌液には、蚊の着地・付着を抑制する性質の成分が含まれています。蚊の接近を減らすことで蚊の寄生を防ぎ、病気のリスクを下げる効果があります。

赤い汗の蚊除けの効果
  • 蚊の着地・付着を抑制
  • 蚊の被害の減少
  • 病気リスクの低下

赤い汗は、カバの「虫よけスプレー」でもあります。

蚊除け効果は花王の研究結果ですが、野生の環境化で実際に蚊除けの効果があるかはわかっていません

カバの基本情報

カバはアフリカの大河に暮らす大型草食動物で、分厚い皮膚をもちながらも乾燥に弱く、「赤い汗」と呼ばれる特別な分泌液で肌を守っています。実は泳がずに“歩いて”水中を移動し、夜になると陸へ上がって草を食べるなど、生活スタイルは見た目以上にユニークです。

下記は通常のカバについての基本情報です。コビトカバの詳細な情報は含まれていません。

項目内容補足・豆知識
分類哺乳綱 偶蹄目(クジラ偶蹄目)カバ科実はクジラの近縁種。
学名Hippopotamus amphibiusギリシャ語で「川の馬」の意味。
生息地サハラ以南のアフリカ(ウガンダ、ケニア、タンザニアなど)。日中は水中、夜は陸に上がる。
種類① カバ(H. amphibius
② コビトカバ(Choeropsis liberiensis
コビトカバは西アフリカの森林帯に生息。体は小型で基本的に単独行動。
体長約3.5〜4.0m尾の長さは約35〜55cm。
体高約1.3〜1.6m水面から出ている部分はわずか。
体重約1,300〜1,500kg個体差が大きく、大型雄は2トンを超えることも。
皮膚の厚さ約1.5〜4cm非常に厚く5cmになることも。乾燥に弱く、皮膚分泌液で保護している。
食べ物草食性。主に陸上の草で水生植物や木の葉、根も食べる。1晩で約40kgもの草を食べることもある。
寿命野生で約40〜50年、飼育下で50年以上。動物園では58歳まで生きた例も。
活動時間夜行性(昼は水中、夜は陸へ)。一晩で数~10km歩いて採食する。
社会構造雄単独、10~20頭群れで生活(優位な雄、複数の雌と子ども)乾季には100~150頭の群れを形成することもある。
泳ぎ方「泳ぐ」より「歩く」に近い。水底を蹴って移動。水中で5分ほど息を止められる。
天敵子供のときはライオン、ハイエナ、ワニなど大人になるとほぼ無敵。人間とのトラブルも多い。
繁殖妊娠期間 約8か月、1回に1頭出産。出産は水中で行う。

動物園で「汗の色の変化」を観察するときのポイント

カバの「汗の色の変化」は、動物園でも運がよければ観察することができます。気温が高く、日差しが強い日中だと分泌量も多く、変化もわかりやすいです。

とはいえ、実際に見えるタイミングや色の濃さは、時間帯や環境条件によって大きく変わります。なので、必ずしも毎回はっきりと赤く見えるわけではありません。特に水中にいる時間が長いと分泌液が薄まって、色が目立たなくなることもあります。

動物園でカバの“汗の色の変化”を観察したい人におすすめの見方を紹介します。

ポイント1.水から上がる瞬間から注目

カバが水から上がってしばらくすると、皮膚がうっすらピンク色に見えることがあります。新たに出てきた分泌液が酸化し始めているところで、「透明〜淡いピンク色」の状態です。

皮膚表面にうっすらと光って見えたら、出てきたての分泌液かもしれません。10~15分経つと赤く変化します。

ポイント2.昼前後は“赤み”に注目

日差しが強くなると、分泌量が増え始めます。カバの体に残っていた分泌液と新たに出てきた分泌液が酸素と反応し、より「赤い汗」に見えるようになるはずです。特に、耳や目の周り、背中の部分などは赤茶色の光沢が出てくることもあります。

分泌液は、1~2時間くらいで赤褐色〜茶色に変わります。もしカバが長い時間陸上にいる様子なら、汗の色の変化を観察できるチャンスです。

汗の色の変化は酸化による自然なプロセスで、曇りよりも晴天の日、冬よりも夏のほうが酸化反応が進みやすくなります。

ポイント3.観察スポットを工夫しよう

カバは日中の多くを水中で過ごします。そのため、水辺の浅い場所日陰にいる個体を探してみましょう。また、カバの室内展示よりも、分泌液の酸化が進みやすい屋外展示のほうが汗の色の変化が見やすい傾向にあります。

もしもガラス越しに観察する場合は、反射を避けて斜めから見ると、より自然な色合いがわかります。

動物園でカバの汗の色を観察する際は、

・透明~ピンク
・赤~赤褐色
・茶色

という色の変化を意識して見るのがコツです。

カバの汗は、時間によって色を変える“天然のスキンケアクリーム”のようなものです。観察の仕方を少し変えるだけで、いつものカバが興味深く見えてきませんか。

カバの赤い汗から学べること

カバの「赤い汗」は汗や血ではなく、皮膚を守る分泌液です。分泌液には、保湿・UVカット・殺菌抗菌という3つの役割が隠れています。

赤い汗の正体
  • 汗や血ではなく分泌液
  • 皮膚を守る多機能なスキンケア成分
  • 紫外線や細菌から体を守る天然のバリア

カバの赤い汗の正体を理解すると、動物の体がいかに合理的にできているかが分かります。化学反応で汗の色を変えながら、環境に適応する姿はまさに生きた科学です。動物園で観察すれば、進化の驚きと生命の強さを感じられるでしょう。

次にカバを見るときは、赤い汗と汗の色の変化に注目してください。カバの汗は、生命の賢さそのものなのです。

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